癌に罹患された方の「心のケア」2024/3.4
久しぶりの投稿です。
毎年、3月になると裏山から透き通った鶯(ウグイス)の鳴き声が
聴こえてきます。もう少し先のようで、待ち遠しいですね。
ところで、女性専用ウンセリングルームの運営を始めて、15年が経過致しました。
臨床経験を含め、沢山の女性の方々のお話を聴かせていただいています。
現在は専門職である看護師としても「心のケア」のボランティアも行っています。
内容は癌に罹患し治療を受けながら自宅療養をされていらっしゃる方に対し、
SNSを通して対話コミュニケーションをさせていただく事です。
勿論、看護師としての知識や経験、同時に傾聴、対話の知識も必須となります。
対象となる方には、私の実名を伝えず、ペンネームでの対応となります。
看護師として対応をさせて頂いた私のペンネームに対して、コメントを頂いております。
取材の一部分を掲載いたしますので読んで頂ければ幸いです。
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【癌に罹患し治療をされながら、自宅療養をされていらっしゃる方のお声】
不安に思う点や今の心情などの発信に対して、丁寧に傾聴くださって前向きになれる返信をいただきました。お人柄が伝わる温かい文章に心救われました。
不安をいつでも打ち明けられる場所がある。私は何度も救われた。
日中は仕事に向かうなど、日常生活を取り戻しつつありますが、時折どうしようもない不安に襲われることがあるといいます。看護師との対話利用後にはどのような感想を抱いたのか。率直なお気持ちを聞かせていただきました。
看護師から届いたメッセージに何度も励まされた
──実際にサービスを使ってみて、どんな感想でしたか?
最初はわからないことも多く、少し戸惑いながらのスタートでした。
短い文章で細かくやりとりするのか、長文を書いて一気に送ればいいのか。病気のことばかり話すのか、プライベートのことも話していいのか。
は言うものの、具体的にどのようなコミュニケーションを取っていけばいいのかなど、手探りだった部分は正直ありました。
──初めて知り合った看護師との対話ということで、慎重になりますよね。
それでも始まってしまえば「さすが看護師さんだなぁ」と感動することが多々ありました。
初回の自己紹介で私の抱えている不安や心配ごとを共有したのですが、その時にどんな言葉であっても受け止めてくれる感覚があったんです。
LINEのやりとりを重ねるにつれて信頼感も増しました。私の言葉の一つひとつに関心を持ってくれていることがわかるので、私もこの方になら何でも話して大丈夫だという感覚が得られたように思います。
──具体的にはどれくらいの頻度でやりとりをしましたか?
日中は仕事があるので、朝と夜の空いた時間を利用してメッセージを送っていました。利用できる期間は1ヶ月で、その間は担当の看護師さんと何度でもやりとりができます。
文章の量でいうと、私は長文を送ることが多かったです。看護師さんに伝わるような表現にしたかったので、下書きを何度も書きました。そのためLINEを使ってはいるものの、感覚としては「お手紙のやりとり」に近かったように思います。
──お手紙、という表現がステキですね!
がんを経験している方であれば、夜になって急に不安が襲ってくることもあると思います。そんな時に自分の気持ちを素直に吐き出せる場所がある。それ自体が私たちにとって大きな意味があるんです。
すぐに返事がなかったとしても、不安や悩みを打ち明ける相手がいることで、気持ちがすっとラクになりますし、返事があればそのメッセージに励まされる。LINEのトークルームも削除されずに手元に残るため、元気をもらいたい時は何度でも読み返しています。
それに、自分が送ったメッセージをあとから読み返せるのもいいですね。時間が経つことで自分の想いや考えていることを客観的に見れるため、また同じような感情が襲ってきた時に冷静に自分を見ることができます。
あと、看護師さんから「こんなところに行ってきたよ!」と旅行先からお写真が届くこともあって、それがまた楽しみなんです。ほどよい距離感が心地いいなと思っています。
「またお話がしたい」そう思える看護師との関係性
──特に印象に残っているエピソードなどがあれば聞かせてください。
私にとって素晴らしい体験で、看護師さんの前では自分の弱みをさらけ出していいんだと思えました。
季節の変わり目になると、私の体調を気遣ったメッセージが送られてきたりと、やさしさも嬉しかったです。手がしびれるなど不調で辛い時も、「温めてあげるといいですよ」とお気遣いの言葉をいただきました。
── 利用期間を終えて感じていることはありますか?
私は、「もっとお話をすれば良かった……」という想いがありました。
看護師さんとすごく仲良くなれるんです。ただ、お互いに匿名でつながっていることもあり、その期間が過ぎるとお別れになってしまいます。
仲良くなった友だちが転校してしまうような、そんな淋しさがありましたね。それだけ密度の濃い対話ができた証拠でもあると思います。
抱えている孤独や不安、そのすべてを吐き出せる場所
──最後に、メッセージをいただいてもよろしいでしょうか?
がんと共に生きる方々にとって、本当にやさしいサービスです。どんなに明るく努めようと思っても、気持ちが落ち込み暗くなってしまうことがありますよね。
そうした場面で、抱えている不安や孤独、思っていることのすべてを吐き出せる相手がいることはとても心強いことだと私は感じました。治療の真っ只中でなくても、私のように寛解中の人もたくさんの不安を抱えているはず。そういう方々にとっても、やさしいサービスだと思います。
「自分の不安を少しは取り除けるかな……」と期待を感じた方は、ぜひ一度試してみることをお勧めします。心の痛みを取り除いてくれる、軽減してくれるサービスだと思います。
ここまでです。↑